初めての小説
僕が初めて小説らしきものを書いたのは、大学時代でした。2回生の時、文学部の同好の士が集まって同人誌を作ろうということになり、初めての小説に挑戦。誌名は「四分五裂」というもので、僕は作品を書くのに「五里霧中」の状態。「一気呵成」に書き上げたのですが、周りからは「無知蒙昧」「笑止千万」と思われたことでしょう。
ブルース・リーを蘇らせたものの、あまりの低俗ぶりに今までのイメージが崩壊するというものでした。他の人たちは、萩原朔太郎論やブラッドベリのような情緒的な短編を書き上げていたものですから、僕の作品は完全に無視されてしまったのです。
処女作は、その後の人生を暗示するといいますが、僕の広告屋人生はこの小説によって決まったのかもしれません。
同人誌で、僕は紙面デザインも担当し、ガリ版ずりで世に出しました。居酒屋で打ち上げができるだけの利益は上がりました。でも、僕が学校に行かなくなっこともあり、同人誌は、まさに「四分五裂」になり「分崩離析」となったのでした。 |