中世から続く城と藤堂高虎、伊達家の宇和島藩

宇和島城の秘密

宇和島城と宇和島藩の魅力を城と代々藩主から探る

著者:土井中 照  販売価格:¥400

 魅力溢れる宇和島の歴史をご紹介しながら、宇和島城の知識と宇和島をめぐるさまざまな出来事を紹介する本ができないかと考え、本書を企画しました。

 第一章は「宇和島城散策」として、宇和島城の特徴や歴史的推移などの宇和島城のさまざまな魅力、第二章の「伊達氏入封以前の宇和島」では、藤原純友の鎮圧を果たした橘氏の丸串城に始まり、宇和島城に関係する伊達氏入封までの経緯、第三章の「伊達氏の時代」では、伊達宇和島藩の成立や藩の内外の事件、代々の藩主について記しています。第三章は「幕末の宇和島」として、宇和島藩が幕末の日本で果たした役割や藩主たちの人柄について著しました。第四章の「明治に活躍した宇和島人」では、明治時代に活躍した宇和島藩士やその子孫に関係する人物たちのエピソードについて記しています。

もくじ

第一章 宇和島城散策
 板島から宇和島へ
 海城と平山城の利点を合体させた宇和島城
 宇和島城の縄張り
 築城名人・藤堂高虎
 隠密が迷った五角形の城
 宇和島城の石垣
 干拓・埋め立てによる土地拡張
 藤堂高虎時代の天守
 寛文の大改修による天守
 市街から宇和島城天守への道
 空襲で失った追手門
 家老桑折氏ゆかりの長屋門
 唯一現存する城門の立ち上がり門
 城山の緑を探索する
 宇和島城の栄誉
 宇和島城の修理と改築

第二章 伊達氏入封以前の宇和島
 ミイラ取りがミイラになった藤原純友
 藤原純友を逮捕した橘氏が築いた丸串城
 京から宇和島に土着した貴族と西園寺十五将
 大友宗麟の南予攻撃
 長宗我部元親の四国侵攻
 秀吉の四国平定
 小早川隆景の伊予国支配
 残虐だったという戸田勝隆の治世
 キリシタン大名・一条氏の最期
 藤堂高虎の宇和島入部
 朝鮮との海戦で武勲を立てた高虎
 もう一つの関ヶ原の戦い
 ユニークなエピソードを残す富田信高
 松尾芭蕉の母は宇和島出身

第三章 伊達氏の時代
 伊達秀宗、板島入部
 政宗からの借金が生んだ和霊騒動
 冤罪の家老を神として祀った和霊神社
 土佐藩との境界争い
 吉田藩誕生までのいきさつ
 二代藩主・宗利の時代
 川に挟まれた吉田藩陣屋
 「内ならし検地」と「クジ持制」
 境界をめぐって争った宇和島藩と吉田藩
 宇和島城天守と城郭の改築
 奸物か? 改革者か? 吉田藩の「山田騒動」
 三代藩主・宗贇の時代と十万石への高直し
 四代藩主・村年と享保の大飢饉
 五代藩主・村候の名声と藩政改革
 吉田藩の紙専売で起きた武左衛門一揆
 六代藩主・村壽の財政改革
 重臣たちの意見対立から生じた「萩森事件」
 耕して天に至る段畑の開墾
 伊達家が伝えた鹿踊り
 十八世紀の史料に初めて登場する牛鬼

第四章 幕末・維新の宇和島
 七代藩主・宗紀の時代
 宇和島藩の財政改革
 佐藤信淵に学んだ農政と宗紀の好奇心
 藩校・明倫館と宗紀の人材育成
 宗紀の隠居後に造られた天赦園
 八代吉田藩主・宗孝と宗城の関係
 八代藩主・宗城の時代
 軍制の近代化を図った宗城
 宇和島藩と種痘
 宗城の物産学研究
 宗城の隠居を命じた井伊直弼
 九代藩主・宗徳の時代
 宇和島藩のコレラ騒動
 隠居後の宗城が参与した諸会議
 長州征伐と宇和島藩
 パークスとアーネスト・サトウの宇和島来訪
 大政奉還・王政復古と宗城
 戊辰戦争と宇和島藩
 版籍奉還と宇和島藩
 新政府のもとでの闘牛
 維新のあとに起こった野村騒動
 日本と清国の架け橋になった伊達宗城
 廃藩置県と愛媛県への推移
 旧宇和島藩校の教頭も加担した国事事件

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