藤堂高虎から加藤家へと続く肱川沿いの城と藩

大洲城の秘密

大洲城と大洲藩の魅力を城と代々藩主から探る

著者:土井中 照  販売価格:¥400

 愛媛県の大洲を流れる一級河川・肱川の河畔にたたずむ大洲城は、元弘元年(一三三一)に鎌倉時代末期に守護として国入りした伊予宇都宮氏の宇都宮豊房によって築城されたといわれます。その後、藤堂高虎らによって大規模に修築がなされ、伊予国南予の政治と経済の中心地として城下町は繁栄していきました。

 再建された大洲城の歴史と魅力、戦国時代に大洲を治世した人々、加藤氏によって統治された江戸時代、勤皇藩となった幕末時代の人材と坂本龍馬との関係など、知られていない大洲の情報を集めました。ぜひ、小京都と呼ばれる大洲の魅力をお楽しみください。

もくじ

第一章 大洲城の秘密
 大洲の名前、お城の名前
 大洲城はいつの時代に築かれたか?
 防御に優れた大洲城
 四層の天守の秘密
 天守のデザイン
 大洲城の櫓について
 大洲の町はいつできたか?
 大洲城改修はいつ行われたか?
 天守はいつなくなったのか?
 天守復興への道
 復元天守の秘密

第二章 中世から高虎・安治の時代
 中世から戦国時代にかけての大洲
 地蔵ヶ獄城を居城にした守護・宇都宮氏
 宇都宮家家老・大野直之の下克上
 大洲の中世を伝える古城伝説
 治安につとめた小早川隆景の伊予国統治
 暴君・戸田勝隆の大洲支配
 池田秀氏の大洲支配は本当?
 築城の名手・藤堂高虎の大洲移封
 高虎の大洲治世を補佐した男たち
 朝鮮の高名な儒学者が捕虜になった
 関ヶ原の戦いでの藤堂高虎
 関ヶ原で東軍に転じた賤ヶ岳七本槍
 大洲は勤勉な領主が似合う土地柄

第三章 加藤氏統治の大洲
 勇猛果敢で知られる大洲藩祖・加藤光泰
 わずか七年で死去した初代藩主・貞泰
 藩体制の確立に貢献した二代藩主・泰興
 大洲藩が得をした松山藩との替地
 大洲藩がすすめた武術
 大洲で過ごした日本陽明学の祖
 殿様が招いた名僧・盤珪
 いざこざもあった新谷藩の誕生
 新谷藩代々の殿様たち
 能画家の三代藩主・泰恒と六男・加藤文麗
 四代藩主・泰統、五代藩主・泰温の財政再建策
 伊予ではじめての藩校が大洲に誕生
 六代藩主・泰衑の財政対策と農民一揆
 伊予最古の図書館・古学堂
 七代藩主・泰武、八代藩主・泰行、九代藩主・泰候
 大洲藩の財政建て直し策
 大洲藩が推奨した大洲和紙
 大洲藩の特産品・砥部焼
 大洲藩の主力産業だった内子の蝋燭
 藩財政に功を奏した殖産策
 大洲藩に多かった農民の暴動

第四章 幕末の大洲
 学者大名の十代藩主・泰済、十一代藩主・泰幹
 伊能忠敬が大洲を測量
 大洲とシーボルトとの関係
 勤皇藩へ十二代藩主・泰祉、十三代藩主・泰秋
 日本初の「陰狐疝」手術を行った蘭学医
 坂本龍馬と大洲との関係1
 坂本龍馬と大洲との関係2
 坂本龍馬と大洲との関係3
 船にツキのなかった大洲藩
 大洲藩長浜沖に現れた黒船
 日本ではじめての電信実験成功
 全国に知られた国学者・矢野玄道
 幕末の憂国歌人・巣内式部
 大洲藩が勤皇派となった理由
 新しい時代を迎える大洲藩の行動
 函館五稜郭を設計した男
 参事の自決で鎮まった大洲騒動
 明治憲法の草稿を手伝った男
 西洋文化を積極的に取り入れた大洲
 大洲と西南戦争の関係

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